ゼブコ33プラチナの改良(2)内部の観察

ゼブコ33プラチナのテスト釣行第1回目から問題点が続出したのですぐに対応することにした。 まずはこの「針金ライン」を入...

ゼブコ33プラチナは、ゼブコ33シリーズの最上位機種であるけれど、日本人が想像するような「高機能・軽量化」みたいな洗練されたものではなくて、全面的に金属部品を採用し、ベアリングを追加し、ギアを高速化しただけのモデルである。重く、武骨な雰囲気が漂う。

第一回目の釣行でラインの硬さとキャスト時の滑りの悪さに辟易としたため、前回ライン交換をし、インナーローターの研磨を行った。

今回は内部構造をじっくり観察してみようと思う。

フロントカップとインナーローターを外すとスプールの上に文字がたくさん見える。

このあたりを見るに、ゼブコのスピンキャストリールへの思想がよくわかる。

持ち主が分解し、手入れするのが大前提となっており、たぶん子供にもわかるように、こうした細かい説明が書かれているわけだ。

まずこの部分、クラッチボタンを押すとここの中心の「棒」が出てくるわけだが、ここの滑りをよくするために、古いグリスを落として、アブのリールオイルを注してやった。

インナーローターの構造をよく見るに、ピックアップピンが2つ。しかもこの機構、随分とガッチリ作られている。ダイワのスピンキャスト/アンダースピン80などは、この裏側のピックアップピンのバネが外れやすくてメンテする時に注意が必要なのだが、ゼブコはフールプルーフがよくできている。

ドライバー1本でちょっとこじるとすぐにここまで開けられる。たったこれだけの部品で動くのだから不思議である。ハンドルの回転を受けて回る軸の両端にベアリングが入っている。

左側のベアリング。その左に見える白いのはスペーサーである。

ハンドルを固定するビス?の頭の裏側にさっきの白いスペーサーが着けられている。

軸を抜いた後はこんな風に見える。

軸を抜いたところを上から見た写真。ギアには白濁したグリスがこってりと塗られている。

グリスは拭い去ってアブのグリスに変えた。

金色のピニオンギヤ…真鍮である。真鍮ピニオンギヤにひかれてゼブコ33プラチナを購入したわけだが、率直にいうとそれは失敗だった。真鍮ピニオンギヤがほしいだけなら、ゼブコ33ゴールドで充分だった。その上でプラチナは全金属だからズッシリ重い。日本でシーバスを相手にするぐらいなら、全金属である必要はない。

右側。ボールベアリングにはアブのリールオイルを注湯しておいた。ベアリングの隣に見える銀色はハンドルの軸関連の駆動部分を固定するための板バネ。これのお陰か、ゼブコ33シリーズはハンドルを回転させた時の無駄な遊びが少ない。

ドラグ部分。ここにも少し注油しておいた。

ギアの古いグリスを拭って新しいグリスに変え、ボールベアリングにリールオイルを注油するとゼブコ33プラチナの動きは全く別物になってしまった。全ての動作が軽快になった。

やはりこの手の米国リールというのは、箱出しの状態ですぐに使うようなものではないな…と改めて思った。

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