ビンテージ・ゼブコ33の研磨

ボディが割れた状態で物置部屋から見つかった25年前購入のビンテージ・ゼブコ33ですが、ガムテープで止めてやれば使えるようになりました。そこで、本格的に実戦投入するため、スプールとスピナーヘッドの研磨をしてみました。

この上部の屋根みたいな形なのが「スピナーヘッド」と呼ばれる部分。ラインはこのパーツによく触れますから、磨いてツルツルにしておけばラインが傷みにくくなります。

それと同じ理由で、スプールエッジも研磨しておきたい…この手の加工は他のスピンキャストリールでも同じようにあるので、それの練習のつもりで、ビンテージ・ゼブコ33でやってみました。

スピナーヘッドとスプールの取り外し

まずはスプールを外さねば。ハンドルを固定したままでスピナーヘッドを回すと外れてこの状態になります。左側がスプール。ネジ止めされているので、これを外して引っこ抜いてやります。

引っこ抜くとこんな感じ。古いグリスがこびりついていました。左側は引っこ抜いたスプールで、底を表向けにした状態。

ボディは樹脂製なのでパーツクリーナーを直接吹きかけるのはヤメておきます。

スプールの研磨

スプール。どうしてこういう「刻み」が入っているでしょうね。

横から見ると汚れがわかります。1回しか使ってないのに…25年分の汚れがこびりついています。それをスプールエッジもザラザラしておりますので、これで細いラインを使ったら確かに切れやすそうです。

重曹とピカール。写真は撮りませんでしたが、#600と#1000の耐水ペーパーも用意しました。#1000だと金属の研磨としては少し荒いのですが、ピカールでの研磨が#4000相当だそうです。だから、仕上げにピカールを使うことにしました。

まずはお湯を沸かして重曹を入れ、この中でスプールを30分ほど煮てやりました。

それから、ピカールをかけてタオルでゴシゴシ磨いてやりました。スプールの内部は指が届きませんので、ピカールを含ませたタオルをドライバーを使ってゴシゴシしてあげました。

手順的には#600番で汚れを落として、#1000で磨き込み、最後の仕上げにピカールを使用します。

すると…ここまでキレイになりました。

スプールエッジは特に念入りに。ラインが当たるのは上のエッジですから、そこの角をなるべくとって丸くした上でツルツルに仕上げます。

最初の状態では、指で触れると明確にザラついていたのが、ピカールで磨き込んでからは指先でなぞると吸い付くような滑らかさになりました。

スプールを止めていた金具も重曹で煮てから、ピカールで研磨しました。

フロントカバーの研磨

フロントカバー全体をピカールで磨きました。こちらは耐水ペーパーで研磨する必要はありません。それとラインが出る穴の部分は念入りに研磨しました。まずは穴の周辺にピカールを塗り込み、それからピカールを含ませたタオルを内側から外に引き出して、それを力強くグルグル抵抗をつけながら回します。

すると、ピカピカのツルツルになりました。

クッキングペーパーにパーツクリーナーを含ませてボディをキレイに拭いてやりました。

スピナーヘッド…ここで大きな失敗

スピナーヘッドも耐水ペーパー#600⇒#1000で擦ってからピカールで仕上げ。

裏側から見るとこんな感じ。エッジの部分は念入りにツルツルにしました。

エッジの拡大。「縁」(へり)が丸まっているのがわかります。触ると本当にツルツルです。

ここまでは順調だったんですけど、順調すぎてやらかしたことが1つありました…

この突起の部分ですけど、実は簡単なカシメで止めているだけでして、少し研磨するだけで、カシメが削れてしまい…

外れてしまいました…。これからビンテージ・ゼブコ33の研磨をやろうという人は要注意ですぞ!(そんな奇特な人は、なかなかいないとは思うものの)

とりあえずこの内側の古いグリスを取り除いて、新しいグリスを塗りました。

ここのカバーがないとラインが絡みそうなので、必ずフタをする必要があります。

このまま実戦投入すると、キャストの時に外れて水の中に落ちてしまうでしょう。

それにしても、どうやったら固定できるのか。接着剤?溶接?

ちょっと方法を悩んでいるところです。

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